茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~ -3ページ目

映画「西の魔女が死んだ」

ニシノマジョカラヒガシノマジョヘメッセージ・・・死んだらどうなるの、そうねぇ死んだことがないから分からないわ、静かにハートウォーミングな魂脱出の物語・・・

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おばあちゃんと過ごした1ヶ月余りのこと・・・集団よりも孤立を選び登校拒否に陥った中学1年生のまい(高橋真悠)、ママ(高橋真悠)はまいのことを感受性が強すぎると言い、山奥で一人田舎暮らしするおばあちゃん(サチ・パーカー)の家にしばらく預けることにする。苺摘みにワイルドストロベリージャム作り、ニワトリの世話に足踏み洗濯、早寝早起き、料理に掃除に食事に運動、庭や野山に咲き乱れる草花、そして静かに諭すように語られる魔女の言葉、聞き分けのない幼い子供のまいの心にも、2年の歳月をかけてそれは深く静かに浸透したのだろう・・・
老後ならこんな田舎暮らしに憧れる、家の周りの畑に野菜と果実、庭には草花、海や川が近ければ釣もいい、近所の人たちとは助け合い、自然と共に半自給自足の生活、少なくとも今は夢のようだけど・・・回想シーンが終わり、2年後、つまり現在のこと、あの時と同じ母の赤い車で訪れた魔女の棲家に既に魔女は横たわり、例の郵便屋さん(高橋克実)とゲンジさん(木村祐一)の姿が・・・ゲンジさんの思いを知り、そしておばあちゃんのメッセージ、最後に泣けます。
(wowow)西の魔女が死んだ

映画「グラン・トリノ」

原題:Gran Torino
タイトルはてっきりおじいさんのことかと思ったら、1972年製フォードのグラントリノのことだった、もしかしてGM、クライスラーよりマシなフォードの応援映画!?

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朝鮮戦争帰還兵にしてフォード自動車組立工の経歴を持つウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)の晩年、妻を亡くし、病に冒され、そして自らの命を断つに至る、人生の最後に成すべきことを成して輝きを放ち、壮絶なる死を遂げる感動の物語・・・始まりは男やもめとなったウォルト、食事はビールとビーフジャーキー、日課は芝生の手入れと家の修繕に愛車グラン・トリノを磨き上げること、人種に偏見を持ち、神をも恐れぬ風情の彼、そんな彼の隣家に越してきたのがモン族一家、東南アジア少数民族の彼らに対しても蔑視の排斥感を募らせるウォルトだったが、スー・ロー(アーニー・ハー)の屈託のない明るさと優しさに触れ、遠くの親戚よりも近くの隣人とばかりに打ち解けていく、そして殻に閉じこもりふさぎ気味だったタオ・ロー(ビー・バン)との交流が始まり、ウォルトはタオに大人の男の生き様を示してみせる。
あまのじゃく的だけど、一見危険そうに見えるブラックよりも実は身内を含むイエローの方が危険な存在だったという皮肉、そして懺悔の内容は他人から見ると取るに足らないようなくだらないことだったという皮肉、人生は皮肉に満ちている、物事の本質はいつも遠く手の届かないところにあるもの、それを知り、成すべきことを成すことができるようになるのはやっと人生の最後のこと、哀しいけれど人間の性なのか・・・仕事を教え、仕事を世話し、デートを世話し、人生を教える、そうして彼は、感動の余韻を残しながら静かに、息を引き取って逝く。

グラン・トリノ

映画「GOEMON」

千利休が登場、あのしゃべり方でNHKの世直しバラエティー番組"カンゴロンゴ"を連想、思わず四字熟語な生活のカン・ゴローはいつ現れるかと思った・・・

茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~-GOEMON 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~-GOEMON
それはともかく、時は戦国、織田信長の暗殺は豊臣秀吉の陰謀だったという説のその証拠の奪い合いから物語は始まる・・・主役は石川五右衛門(江口洋介)だけど、織田信長(中村橋之助)、豊臣秀吉(奥田瑛二)、徳川家康(伊武雅刀)、石田三成(要潤)、霧隠才蔵(大沢たかお)、服部半蔵(寺島進)等の武将や忍びのこわもてに、笑いを誘う猿飛佐助(ゴリ)、異次元からやってきたような千利休(平幹二朗)、幼さを残しながらも一服の清涼剤のような茶々(広末涼子)、チェ・ホンマン蛭子能収小日向文世もチョイ役で出ていたのは分かったけど、佐藤江梨子戸田恵梨香には気付かなかった、どうやら五右衛門がはべらしていた遊郭の太夫役で出ていたらしい。
盗賊の頭領として大活躍!?した石川五右衛門が秀吉の時代に捕まり、釜ゆでの刑にされたのは事実なんだろうけど、彼が伊賀の抜け忍で秀吉の命を狙ったかどうかは疑わしい、けれど、少なくとも人々に知られている歴史の大筋は壊していないようで、時代劇としてみてもそんなに大きな違和感はないんじゃないかな、まぁ、この映画にそんなことはどうでもいいようで、もう殆どめちゃくちゃなアクションシーンを目一杯堪能させてくれる、それにしても、釜ゆでは替え玉で、五右衛門が家康さんに、もう戦争はやめてよねって、しっかり頼み込んでから息を引き取るなんて、なんて立派な大盗賊なんでしょう・・・

GOEMON

映画「バーン・アフター・リーディング」

原題:Burn After Reading
直訳なら読書の後に火傷を負う、それもただの火傷じゃなくて、そして誰もいなくなったというぐらいの大火傷、コメディだけどさすがにコーエン兄弟かな・・・

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バージニア州とワシントンDCを隔てるポトマック川のほとり、なにやらCIA本部みたいな建物に上空から接近、その建物の中の廊下を歩く重い足取りはオズボーン・コックス(ジョン・マルコヴィッチ)その人、上司に呼び出されて告げられた言葉は左遷、怒りに震える彼は拒否してその場を飛び出してしまう、そして妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)に馬鹿にされながらもCIA内部暴露の自伝本執筆に取り掛かるのだけど、それが大騒動の種になるとはね・・・
とにかく登場人物がみんな面白い、フィットネスセンター従業員のチャド(ブラッド・ピット)に同僚のリンダ(フランシス・マクドーマンド)と支配人のテッド(リチャード・ジェンキンズ)、そして怪しいサイトでの女あさりが趣味みたいな財務省連邦保安官ハリー・ファラー(ジョージ・クルーニー)、どうにも関係なさそうな人々まで巻き込みながら、前半は緊張感もたっぷりに展開する・・・後半になるとチョットやりすぎでもういいよってカンジがしないでもないけど、リンダに恋するテッドの役回りなど、登場人物の個性も際立ってていい、それにしても、ここまでみんな殺してしまわなくてもいいのに、まぁ、なんといってもリンダの全身整形費用が捻出できたということだから、ハッピーエンドで良かったとしましょうか・・・!?

バーン・アフター・リーディング

映画「スラムドッグ$ミリオネア」

原題:Slumdog Millionaire
最後の最後に緊張感を解き放ち、一気に"ムトゥ 踊るマハラジャ"の世界へといざなってくれる、召使から大地主への物語も似て歌と踊りのハッピーエンド・・・

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イギリス発祥のテレビ番組"クイズ$ミリオネア"、世界中でローカライズされた人気番組というけど、手に汗握るファイナル・アンサーの間の取り方は、やっぱり日本のみのさんだよね、インドの司会者の意地汚なさは言語道断・・・
インドで2000万ルピーといえば日本円で約4000万、いまだかつてその番組で手にしたものはいないというその大金を、いままさに手に入れようとしている彼の名はジャマール・マリク(デーヴ・パテル)、ムンバイのスラム街で育ったみなしごだけど兄のサリーム・マレク(マドゥル・ミッタル)とともに逞しく生き抜いてきた、そして引き裂かれていた初恋の相手ラティカ(フリーダ・ピント)との再会を果たし見事なハッピーエンドを迎える。
ストーリーから興味を惹かれるのはスラムドッグな彼がなぜ奇跡の全問正解を果たすことができるのか、ということだけど、その答えの殆どが実は彼の血の滲むような苦難の人生そのものから得たものだったという仕掛けは、出来すぎの感も否めないけど、彼の人生における機知に富む優しさとひとつひとつの努力のたまものと思えば、神様はどこかで見ていて決して見捨てることはなかったという素晴らしい物語です。それにもまして素晴らしいのは一瞬たりとも忘れたことはないという初恋の相手と、すべては彼女のためだったといい、汚されても傷つけられても決して諦めず、最後に結ばれることだよねぇ・・・

スラムドッグ$ミリオネア