映画「レスラー」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「レスラー」

原題:THE WRESTLER
プロレス好きで、落ちぶれて体はボロボロでもリンングに上がり続け、生活は苦しくスーパーでアルバイトをしながらも部屋代さえ払えない、そんな男の物語・・・

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つい最近の衝撃的なニュース、それは2009年6月13日のこと、既に満身創痍の体調不良ながらもリングに上がり続け、得意の受身も取れないままに頸髄離断という致命傷を負ってしまう、5日後に47歳の誕生日を迎えるはずだった・・・ご冥福をお祈りいたします・・・下ネタ好きでも有名だった彼、牛乳を口に含んでふきだすのを我慢するという例の番組で、ただ一人勝ち残るが尋常でない汗をかき実際には相当苦しかったというエピソード、いつ過労死してもおかしくない状況で苦悩の日々を過ごした彼、プロレスリング・ノア社長三沢光晴、彼の人柄が偲ばれます。
往年の人気レスラーが映画の主人公、彼の名はランディ(ミッキー・ローク)、かつてのスターもいまでは見る影もないが、小さな会場で肉体をぶつけ合い、時には流血の大サービスまでこなす日々、妻とは離婚、一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)にはすっかり疎まれ、足しげく通ったストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)と第二の人生を夢見るけど、彼の居場所は、彼の死に場所は哀しくも、リングの上しかない・・・
仲の良さそうな父と娘を見るととっても羨ましいけど、親子の断絶はいつでも何処にでも良くある話、原因は仕事だったり趣味に打ち込みすぎたり、だけど、レストランで2時間待たされた挙句にすっぽかされたぐらいで、そこまで徹底的に打ちのめされるなんて、もう溝は修復不可能なんて、哀しいよね・・・物語がやや強引で無理な気がしないでもないけど、あの猫パンチで愛犬家なミッキー・ロークが、1952年生れのミッキー・ロークが、自らの人生を重ねて熱演したというところに、感動せずにはいられない。

レスラー