映画「ウォッチメン」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「ウォッチメン」

原題:WATCHMEN
最初に企画されてから何度も挫折し実現に23年を要したというだけあって、観るほうにとっても難しい映画、アメコミファンならけっこう大歓迎かもしれない~

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世界観はとてつもなく大きく、舞台は月や火星までと広い、のに、やたらとスマイル・バッジがクローズアップされるのが、ちょっと違和感あるところ・・・
歴史上の重大事件に、いわゆるウォッチメンなヒーローたちがどう関わってきたのかという物語の要素はとても興味深いもので、このあたりのお話をもっと広げて観せて欲しい気がする。ケネディ大統領暗殺事件の狙撃手はウォッチメンのコメディアンだった、ベトナム戦争はDr.マンハッタンの力でベトコンも地面に触れ伏すほどの勝利を収め、キューバ危機は無事回避し、アポロ11号による月面着陸を見事に成し遂げ、核戦争による滅亡から地球を救う、それぞれに面白味のあるお話なのだけど、残念ながらその衝撃的な映像が僅かに挿入されているだけで繋がりのある物語にはなっていないよう・・・
ロールシャッハが少女誘拐事件に関わった際、犯人が少女を殺害して犬に喰わせたというあのシーンなんか、とても残酷で観ていられないほどハードボイルドでシリアスなんだけど、核戦争の悲劇を防ぐためなら無数の人類を犠牲にしても構わないというアメリカ的な黒幕ヴェイトとの内輪もめがどうにも盛り上がらなくて、ちょっと残念なところ・・・まぁ、それでも壮大な世界観と盛り沢山なエピソードと劇画的なコスチュームの世界に自らを浸せて観るならば、十分楽しい映画です。

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