映画「4ヶ月、3週と2日」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「4ヶ月、3週と2日」

原題:4 luni, 3 saptamani si 2 zile
このタイトルは意味深というか、とっても直接的でそのものズバリでしょう、4ヶ月を越え5ヶ月近くともなれば、そんなことをしちゃあいけないのだろうけどねぇ~

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富国強兵、それが当時のチャウシェスク独裁政権下の国策なんだから、それはもう産めよ増やせよの世界で、避妊もダメなら中絶なんてもってのほかの違法行為、とはいえそれぞれに事情もあるわけで、ごく普通の女子学生オティリア(アナマリア・マリンカ)の身近なところでも問題は発生する。大学寮ルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)が妊娠の過ちを犯し、オティリアが駆けずり回る羽目となる。恋人アディ(アレクサンドル・ポトチェアン)にお金を借り、中絶手術するためのホテルを確保し、闇医者ベベ(ヴラド・イヴァノフ)を出迎えに行き、果ては足りない堕胎費用を親友のためとはいえ自らの肉体で支払うなど文字通りの献身的な行為・・・
なぜそこまでできるのか、そんなことまでするのか、それほどに厳しい現実で助け合わなければ生きていけないということなのでしょう、ホテル室内での交渉シーンも緊迫感のある見所だけど、オティリアが駆けつけるアディの母親の誕生会シーンがホントにリアルだよね、親戚一同がまくし立てるおしゃべりの席の中央で話に加わらず、ただただ遠くを見つめるように無表情な彼女、アディの部屋で2人きりになっての会話シーンも日常的にありそうなことなんだけど、リアルに感じる。長い長い一日の終わりはホテルのレストランで安堵に包まれながらも放心状態かのような2人の佇まいが印象的です。
(wowow)  4 Months, 3 Weeks and 2 Days (2008)